918.チラリズムの極致(はるみち)
「……はるか?」
「ん?」
「どうしたの?」
「何が?」
「さっきから、目を合わせてくれないから」
「……そう、かな」
「そう。ぼうっとしてるというのとは違うわね。何か別のものを見て……」
「え。あ。いや。別に。どこも見てないさ」
「見ていたのね。そんなに珍しい? 女の子の肌」
「そういう言い方は」
「じゃあどういえば言いのかしら」
「……えーっと。僕の中学も、女子はセーラー服のはずなんだけど」
「貴女はジャージじゃない」
「僕はいいんだよ、僕は。そうじゃなくて、だから。こう、セーラー服の間から見える、腹なんて、見慣れてるはずなんだけど」
「けど、目がいってしまうのね。エッチ」
「あのなぁ」
「違うの?」
「……みちるが悪い」
「何でそうなるのよ」
「だから。君だから、気になってるんじゃないか」
「あら。どうしてかしら」
「それは……。ああ、そうだ。ほら、そんなうら若き乙女が肌を晒すなんてさ、好奇な男の目に触れたら何を想像されるか。心配で」
「まるでとってつけたような理由ね」
「えーっと」
「白状なさい。怒らないから」
「…………」
「ねぇ。触ってみる?」
「へ?」
「冗談よ、バカね」
(2011/08/02)
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