922.劇的大改造(蔵飛)
「貴様今日何をしていた?」
「随分とまた、不機嫌ですね」
「答えろ。今日、誰と、何をしていた?」
「デートしてました」
「誰と」
「誰って、見ていたんでしょう?」
「お前の知り合いなど俺が知るか」
「あなたも知っている人ですよ」
「知らん」
「雪菜ちゃんです」
「は?」
「静流さんと雪菜ちゃんが一緒にいるところに出くわしましてね。丁度良いから静流さんの見立てた洋服を着た雪菜ちゃんとデートをしてくれと、頼まれたんです」
「何故そんなことを。それならあの潰れ顔にでも頼めば」
「そんなことをしたら、あなた、見ないでしょう?」
「は?」
「雪菜ちゃんに対するあなたの感想を聞く為に、静流さんはオレとデートさせたんです」
「何のために」
「さぁ? でも静流さんはそういう感覚だけなら桑原君以上ですから。もしかしたら、あなたと雪菜ちゃんの関係に気づいているのかもしれませんね」
「…………」
「さて、電話電話っと」
「何を」
「あなたの感想。雪菜ちゃんだとは気づかなかったと報告しないと」
「ふざけるな」
「恥ずかしいですか?服が替わっただけで分からなくなるだなんて」
「貴様は」
「ん?」
「俺がここにいるのに他の奴と会話をするのか?」
「――えっ」
(2011/10/28)
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