934.三食昼寝送り迎え付き(蔵飛)
「ねぇ、飛影。いい加減俺の部屋に永住しませんか?」
「断る」
「どうして」
「理由が……。メリットがない」
「メリットなんて。三食昼寝付きですよ?」
「三食昼寝は今と大して変わらんだろう」
「じゃあ、送り迎えも付けます」
「送り迎え?」
「そう、魔界への送迎」
「ふざけるな」
「あのね、今は幸運にも気づかれずにすんでますが。そのまま屋根の上を跳んで行くわけにもいかないでしょう? それとも、ちゃんと人混みの中を歩きますか?」
「……目的は、何だ?」
「何が?」
「どうして俺を住まわせたがる? 今だって、大して変わらないだろう」
「三食」
「は?」
「三食一緒に食べるんですよ、オレと」
「…………」
「それと。送迎付けたら、雪菜ちゃんの所への寄り道も、しなくなるでしょう?」
「…………」
「でもそれ以外の時間はあなたの自由ですよ。昼間オレが会社に行っている間、魔界に行ってもいい。夕食時に帰ってくるなら、ね」
「……だ」
「だ?」
「誰が貴様と住むかっ!!」
「じゃあ、譲歩。夕飯だけでも、一緒に食べませんか?」
「……毎日か?」
「毎日」
「分かってるのか?」
「何が?」
「それは、貴様も毎晩俺と」
「当たり前じゃないですか。他に誰と夜を過ごせっていうんです?」
「……ちっ」
(2011/08/18)
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