936.アイコンタクト(外部ファミリー)
「ほたる?」
「…………」
「えーっと。僕の顔に、何かついてるかな?」
「しーっ」
「…………」
「よそ見しないで」
「え?」
「ほたるの目、見て」
「ああ、うん」
「…………」
「……ほたる?」
「ほたるの言いたいこと、わかる?」
「分からない、から。さっきから聞いてるんだけどな」
「ちゃんとほたるの目を見て」
「見てるよ」
「伝わった?」
「ように見えるかい?」
「……もー」
「ほたるちゃん? いい加減、僕に分かるように説明してくれないかな?」
「……アイコンタクト」
「うん?」
「だってパパ、みちるママがまだ何も言ってないのに、目を見ただけで色々分かっちゃうんだもん」
「そうでもないさ。言葉にしなきゃ、分からないこともある」
「でも、みちるママの言葉も、ただ聞いただけじゃ何考えてるか分からない時あるよ?」
「そう? みちるが考えてることなんて、単純じゃないか」
「えーっ。何処が?」
「まぁ、それは、さ。突き詰めれば僕を……」
「パパを?」
「……いいや。そうだな。でも、もう少し一緒にいれば分かるようになるんじゃないかな。少なくとも、みちるのことは」
「みちるママだけ?」
「みちるのことは割と早くに、ね」
「どうして?」
「……まぁ、それも、みちるのことが分かるようになれば、分かるさ」
「ふぅん。……ねぇ、パパのことは?」
「みちるのことが分かるようになれば、分かるようになるさ」
「じゃなくて、アイコンタクト。これって、私だけがパパのこと分かってても駄目なんだよね?」
「ああ、まぁ、そうだな」
「ねぇ。パパはほたるのこと、分かってる?」
「……分かってるように見えるかい?」
「時々はぐらかしてるようには見える」
「……成る程」
「当たってる?」
「ほたる。僕の目を見て」
「うん」
「分かるかい?」
「……分かんない」
「そっか」
「えっ。何で笑うの?」
「さぁ?」
「ねぇ、なんで――?」
(2011/07/05)
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