945.冬の水仕事(外部ファミリー)
「せつな。お米、今日から僕が研ぐよ」
「どういう風の吹き回しですか?」
「酷いな。僕はただ」
「ちょっと、はるか何を……。みちるに見られたら」
「やっぱり」
「えっ?」
「君の手、凄く冷たくなってる。別にお湯で研いでも構わないのに」
「だってお米は水で研ぐものでしょう?」
「だからだよ」
「?」
「だから、これからは僕がやるって言ってるんだ。ま、冬季限定だけど」
「……随分と、優しいんですね」
「冗談。これくらい、夫として当然だろ?」
「……それ、本気で言ってるんですか?」
「え?」
「全く。だから駄目なんですよ、あなたは」
「なんだ」
「……だいたい。あなたこそ冷え性じゃないですか」
「そしたら君があたためてくれよ」
「だから」
「だったら私がお米を研ぐわ」
「みちる。おはよ」
「おはよう、はるか。……せつな」
「お、はよ、う。違うんです、みちる。コレはっ」
「はるか」
「ん?」
「私の手、あたためてくださる?」
「荒れたら大変だぜ?」
「そうしたら貴女がハンドクリームを塗ってくれるんでしょう?」
「おいおい」
「そうしてあげてください」
「何だよ、せつなまで」
「……ほんとに、あなたという人は」
「え?」
(2011/09/16)
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