946.しもやけあかぎれ(蔵飛)
「手、治さないのか?」
「治療した方が良いですか?」
「目障りだ」
「なら、燃やしてしまいますか? 視界に入らなければ」
「ふざけているのか?」
「少し」
「……ふん」
「怒ってますか?」
「何をだ?」
「雪菜ちゃんに手を出したこと」
「お前が誰に何をしようと俺の知ったことではない」
「でも、相手は雪菜ちゃんですよ?」
「お前のことだ。何か目的があったんだろう」
「言ってること、矛盾してません? オレが言いたいのは、そういうことじゃないんですけどね」
「……ちっ」
「フ……。それにしても、雪菜ちゃんも怒ると治癒以外の力が出せるんですね」
「ふん。氷女は全員が全員、治癒能力を持っているわけではない。何も能力のない奴もいれば、その逆もいる。加えて、あいつは忌み子だ」
「成る程。雪菜ちゃんは特別というわけだ」
「興味があるのか?」
「気になります?」
「くだらん」
「あなたに。どう見えたかは分かりませんが。別にオレ、彼女を口説いていたわけじゃありませんから」
「だから、俺はお前が誰に何をしていようと関係ないと言っているだろう」
「オレが誰に何を、ね」
「……うるさい」
(2011/10/07)
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