954.褒め殺し(星はる)
「なんだよ」
「……お前、かっこいいよな」
「は?」
「その髪型はどうかと思うけど、よく見ると顔は整ってるし、身長の割に手足も長い。体だって、細身だけど引き締まっているってだけで筋肉がないわけじゃない」
「ちょっ。触んなっ」
「アレだって、太さはないけど長さはあるし。回復だって早い。テクニックを補うだけの体力もある」
「……お前それ、褒めてんの? けなしてんの?」
「当然、褒めてるに決まってるだろ」
「なーんかいちいち棘を感じんだよな」
「…………」
「おい」
「…………」
「もしもーし?」
「……やっぱり死なないか」
「は?」
「お前って見るからに褒められたことが無さそうだから、褒め殺せるんじゃないかと思ったんだが」
「お前バカか。それはものの例えで、実際に殺せるわけ……。って、お前今、オレが褒められたことがないとかなんだとかって」
「その通りだろ。実際、世辞だとしても僕は苦労した」
「おまっ、ふざけ」
「星野。愛してる」
「……は?」
「愛してる」
「……お前、ふざけるのもいい加減に」
「本当さ。僕は君を愛してるんだ。そうでなきゃ、こんな事はしない」
「……天王」
「呼吸、苦しそうだな」
「ったり前だろ。そんな、こと。急に。だって、心の準備って奴が」
「うむ。成る程。お前にとってはこっちの方が効き目がある、と」
「……てめっ!」
(2011/11/07)
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