959.可愛がりすぎ(蔵&桑)
「オメーよ、そんなに飛影が可愛いか?」
「ええ。可愛いですよ」
「……まぁ、えらくはっきりと」
「好みは人それぞれですからね」
「にしても、溺愛しすぎじゃねぇ?」
「いいじゃないですか」
「あのなぁ、見せ付けられるこっちの身にもなってみろってんだよ」
「目の保養になりませんか?」
「……蔵馬、オメー」
「はい?」
「まぁ、まぁまぁまぁ、そりゃあ、オメーに関しては否定はしねぇけどよ。しかし飛影はなぁ」
「じゃあ、桑原くんに取って置きの魔法をかけてあげますよ」
「は?」
「飛影が可愛く見える魔法」
「げぇ。いらねぇよそんな魔法。つかホレ薬盛られたって、俺ぁ絶対飛影なんか可愛いと思わねぇぜ」
「……ねぇ、桑原くん」
「お、怒んなよ」
「怒ってませんよ。ねぇ。飛影って、猫に似ていません?」
「猫?」
「そう。猫。黒猫、かな。必要以上に踏み込まないけど、離れることもしない。触れているとするりと抜け出してしまうけど、視界の隅には必ずいる」
「……うーん。飛影が黒猫なぁ」
「そう思えば、猫好きの桑原くんのことだから」
「けどそれは、蔵馬のイメージする猫と、蔵馬から見た飛影が一致してるってだけだろ」
「まぁ、それはそうですけど」
「大体飛影はちっこくて俺の視界に入らねぇし。それに」
「ニャー」
「永吉っ! おおおおお。こっちおいでえええええ」
「…………」
「ほら見ろ、蔵馬。コレが猫だ。コレが猫の可愛さだ。可愛いだろおおおお。それに俺の永吉はあのヤローみてぇに素っ気無くなんかないぜ。甘えん坊だもんなぁ、永吉ぃ?」
「ニャー」
「な?」
「……桑原くん」
「なんだ?」
「君の言いたいことは良く分かりました。飛影とのこと。これからは、自粛することにします」
「――へ?」
(2011/11/06)
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