962.せっけんの匂い(はるみち)
「ああ、そうだ。はい」
「えっ?」
「君に」
「いいの?」
「折角買ってきたんだ。貰ってよ」
「ありがとう。開けても?」
「もちろん」
「……香水。でも私、もう」
「知ってる。けど、ボトル、可愛いだろ?」
「そうね。好きよ、こういうの。ありがとう」
「よかった。……そういえば、どうして香水つけるのやめたんだ? あれだけ凝ってたのに」
「気に入った香りがようやく見つかったからよ」
「え? でも、つけてないだろ?」
「だって、香水の中に見つけたわけじゃないもの」
「けど……」
「ちょっとはるか」
「何もにおわないぜ?」
「もう。……そうね。そろそろ香りが切れる頃かもしれないわ」
「みちる?」
「シャワー借りるわ」
「え?」
「泊まっていってもいいでしょう?」
「え。あ、うん。そりゃあ、いいけど」
「よかった。じゃあ」
「ああ。……あ。おい。だから、どういう――」
(2011/09/26)
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