965.街で評判の(外部ファミリー)
「街で評判の親子ですってよ」
「何?」
「私たち」
「私たちって?」
「私と、貴女と、ほたるに決まっているじゃない。美男美女でお似合いの夫婦に、愛らしい子供。知らなかったけれど、私たち見たさにわざわざあの公園でデビューをするママもいるそうよ」
「美男美女、ね」
「あら、ご不満? いいじゃない。パパなんだから」
「いや、それは今に始まったことじゃないから、別に構わないけど。みちる、自分で言ってて恥ずかしくないか?」
「事実ですもの。それに、私のことじゃなくて家族のことを言われているのよ。喜ばない方が可笑しいわ」
「そんなもんか?」
「そんなものよ」
「ところでみちるさん。街では私はあなたたちとどんな関係だと思われているのでしょう?」
「あ。せつな」
「どうか私の存在をお忘れなく」
「よく聞くのは、おばさん、かしら」
「おばっ……」
「ほたるから見ての話よ。私かはるかの姉だということになっているみたい」
「私は夫婦ではないんですね」
「だってしょうがないじゃない。それともせつなは、はるかと夫婦らしいことしたいの?」
「ちょ、みちる。何言い出すんだよ。せつなが言いたいのは、ほたるの母親として見られたいってことだよな?」
「…………」
「え? なん、で。黙るんだよ」
「せつな」
「みちる。少しだけ、はるかをお借りしていいかしら?」
「ええ。少しといわず、幾らでも」
「あ。おい。何で僕を睨むんだよ。みちる! せつなも、悪い冗談はやめ――」
(2011/12/13)
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