969.美しく咲き誇る貧乏草(蔵飛)
「草むしりか? 暇人だな」
「昼間から人間界に来ているあなたに言われたくないですよ。……よっ。ああ」
「腰を叩くな。ジジ臭い」
「年寄りですからね、実際」
「……面倒だな。俺が総て焼き払ってやろうか?」
「ちょっと。手荒なことはしないで下さい。残しておきたい花だってあるんですから」
「ふん。見ていろ」
「あっ」
「どうだ。狙った一本だけを燃やすことだって出来――」
「なんてことするんですか」
「え」
「あれは残しておきたい花だったんですよ」
「雑草だろう」
「それでも、オレには大切な花なんです」
「……そんなに大切なのか」
「ええ」
「花が、か? その先にあるものが、か?」
「えっ?」
「ふん」
「あ。飛影、なんてこと。何も、全部焼かなくても」
「知るか。……来い」
「飛影?」
「どうせもう今日は、何もすることがないんだろう?」
「……新しい種を、蒔きたいんですけどね」
「却下だ」
「だと思いました」


※私の地域ではハルジオンを貧乏草といいます
(2011/11/08)
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