979.湯気の向こう(はるみち)
「みちる? 入ってこないのか?」
「入るわ。でも」
「何だよ。今更恥ずかしがることも無いだろ。気持ちいいぜ。温泉なんてどれくらいぶりだろ。しかも貸切」
「ねぇ、はるか」
「ん?」
「なんか、いやらしいわ」
「は?」
「今日のはるか、とても色っぽい」
「何言ってんだよ」
「のぼせちゃったのかもしれないわ」
「まだ湯に浸かってないだろ?」
「貴女によ」
「……みちる」
「どうしたの? そんな怖い顔して」
「いいから、こっち。浸かって」
「……はるか?」
「みちるが、悪いんだぜ?」
「えっ。ちょっと、はるか。どこ触って――」
(2011/11/21)
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