993.逆転の発想(外部ファミリー)
「今日パパのベッドで寝てもいい?」
「え?」
「だって、ほたるのお部屋寒いんだもん」
「暖房は?」
「そこまで寒くない」
「じゃあ厚手の布団出してあげ」
「一回お日様に干してからじゃないとヤだ」
「困った子だな」
「おーねーがーいーっ」
「うーん……」
「それとも、先約があるとか?」
「先約って、あのなぁ」
「ねっ、ねっ。いいでしょ? 今日だけっ。明日お布団干すから」
「……分かった」
「やったぁ! じゃあほたる、絵本持ってくる!」
「あ、おい――。ったく、しかたないな、母子(おやこ)揃って」


「――で。どうしてはるかが私の布団で寝てるんですか?」
「みちるとほたるが僕のベッドで寝たいっていうからさ」
「理由になってません」
「ダブルベッドに3人は、さ」
「だからどうして」
「二人とも『僕と寝たい』んじゃなく『僕のベッドで寝たい』って言ってたし」
「そういう問題じゃ……」
「逆転の発想」
「えっ?」
「どっちかと寝たらもう片方が怒るんだ。けど二人してすっぽかされれば、怒りの矛先を同じになる。そしたら案外仲良くなるかもしれない。だろ?」
「……まって、ください。その怒りの矛先というのは、もしかして」
「まぁたぶん、君だろうね、せつな」
「ああ、やっぱりそうなるんですね」
「ということで、僕は寝るから。君もほら、湯冷めしないうちに早く」
「…………」
「大丈夫。何にもしないから」
「あったりまえです!」
(2011/10/19)
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