996.珍味といえなくもない得体の知れない料理(蔵飛)
「ええと、これは?」
「飯だ。どうせ寝込んでいてろくに食ってないんだろう?」
「まぁそうですが。……味見、しました?」
「するわけないだろう、こんなもの」
「こんなものって」
「食わないのか?」
「……分かっていて、食べさせるんですか?」
「食わないならいい。二度と作らん」
「じゃあ食べたらまた作ってくれます? 今度はオレの指示に従って」
「どの道、金輪際作る気はない」
「最初で最後、か」
「要らないなら」
「ああ、ちょっと。食べますよ。……食べます、食べます」
「…………」
「いただきます」
「……どうだ?」
「忘れてました」
「?」
「オレ、いま風邪で鼻がバカになってるんでした」
「……ちっ」
(2011/12/03)
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送