27.キラキラヒカル(不二塚)
「ひたむきで真っ直ぐなその姿が、僕には眩しく見える」
 試合を終えてベンチに戻ったオレに、不二はそういって微笑った。その笑顔に、オレは思わず眼を逸らした。
 クスリという笑い声と共に、冷たいものが、頬に触れる。
「っ」
「ハイ。水分補給は大切だよ」
 振り向くオレに、タオルとドリンクを渡した。隣に座り、顔を覗き込んでくる。
「……見る、なよ」
「良いじゃない。減るもんじゃないし。それに、試合中の君は、あまり見ることが出来ないんだ」
 後半、呟くようにして言うと、不二はオレから眼を逸らした。風を感じるように眼を瞑り、宙を仰いでいる。
「見ることが出来ない?何故だ?」
「だって、僕には眩しすぎるもの。真っ直ぐな君の姿が。そのまま見つめていると、その光に飲み込まれてしまいそうで。だから、駄目」
 オレを見つめ、また、微笑う。その笑顔に、オレは眼を細めた。その事に、不二は不思議そうな顔をした。その顔に、今度はオレが微笑う。
「だったらオレは、試合中のお前を見るしかないのかもしれないな」
「なに?」
「お前の笑顔は、眩しすぎるんだ」
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