125.飲む(不二乾)
「不二ぃ」
「何だい?」
「いっつも思うんだけどさ、よく乾汁なんて飲めるよにゃ」
「うん。だって、美味しいし」
「苦くにゃいの?」
「まぁ、苦いけど。苦味って嫌いじゃないし。それに…」
「それに?」

「くっ…あ。やめっ…」
 短い声を上げると、彼は僕の口の中にソレを吐き出した。あまり味わうこと無く、それを飲み込む。それでも、僕の口内には青臭さと苦味がいつも残ってしまう。
「それに、まぁ、もっと苦いもの飲んでるしね」
 でも、この味は嫌いじゃないし。
 顔を上げ、掌についたモノを今度は味わうようにして舐めとった。勿論、その仕草を彼に見せつけることは忘れない。
「っ。また、飲んだのか?」
「ふふ。ご馳走様でした」
 ニッと微笑って、赤い顔の彼にキスをする。僕の口の中の味が移ったのだろう。唇を離した彼は、少しだけ顔を歪めた。
「苦い?」
「……当たり前だ。こんな体に悪そうなもの、よく飲めるな」
 よく言うよ。僕が彼のモノを飲むことを彼は余り良いとは思ってないようだけど。結局、吐き出すときに僕の頭を押さえつけるのだから、それは飲めと言ってるようなものだと思う。まあ、僕もソレを掌で受け止める気は更々無いんだけど。
「乾のだと思えばね、平気だよ。きっとそれだけ僕が乾のこと好きだからなんだろうね。どう?試しに乾も飲んでみる?自分の味だったら駄目でも、僕のなら平気かもよ」
 体を起こし、ズボンのベルトに手をかける。さっきまで散々彼の淫らな姿を見ていたため、僕のそこはいつでも彼に飲ませてあげられる準備は整っていた。
「ち、ちょっと待て…」
 頭を掴んで引き寄せようとした僕に、彼は目の前に手を出すと慌てて拒否した。
「嫌?」
「…………別に、嫌というわけではないが」
 って、顔がもの凄く嫌そうなんだけど。
 よくよく考えてみると、彼が僕のモノを舐めてくれたことは一度も無い。そんなに嫌なのかな。
 あー。なんだか無性に飲ませたくなってきたかも。
「そんなに嫌?僕のってそんなに汚い?」
 少し、目に涙を溜めて訴えてみる。勿論、掴んだままの彼の頭は放さずに。気づかれない程度にキョリを詰めながら。
「ち、ちょっと待て。違う」
 モノが近づいていっていることに気づいたのだろうか。彼は何とか僕の手を振り解くと、出来る限り後退った。
「…そこまで全身で拒否られると、なんだかムカついてくるんだけど」
 何なら、無理矢理に咥えさせてあげようか?ニヤリと微笑い、再び彼の頭を掴む。また嫌がるのかと思ったけど、彼は抵抗する様子は見せなかった。その代わり、真っ赤な顔で僕をじっと見つめてくる。
「不二」
「ん?」
「俺は――」
「――え?」
 更に顔を赤くしていうと、乾は僕の手を取って、そこに触れさせた。頼むから、と眼で訴えてくる。その顔に、思わずクラリとしてしまう。
「……わかったよ」
 なんだか、上手く交わされた気もするけど。まあ、僕もこのままの状態でいるのも辛いし。今回は見逃してあげるよ。
「そのかわり、もう拒否は出来ないからね」
 囁いて、ふふ、と微笑うと、僕はその準備のために彼のそこに指を埋めた。
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