190.スパーク(不二佐)
 何かに、似ていると思っていた。
 とはいえ、今まで真剣に考えることはなかったし、それよりも真剣に考える暇すら与えてくれなかったのだから、ずっとそれが何なのか分からなかった。
「っあ…」
 特別な場所に触れているわけじゃない。ただ、俺の躰をなぞっているだけなのに、不二が触れているだけで、俺の躰は驚くほどの反応を返してしまう。
「佐伯」
 早くも呼吸が乱れはじめた俺の顔そ覗き込み、クスリと微笑う。余裕なんて何処にもない。それでも。悔しいから、俺は余裕の笑みを作って見せた。不二の頬に手を伸ばし、キスをする。
 自分からするときは、何ともない。だけど。
「んっ…」
 不二の方から深く舌を絡めてくると、また、俺の躰に異変が起きる。
 まるで、電流が走ったような。
 それに気付いたのは、理科で電流についての実験をしていた時だ。友達のせいで、軽く感電してしまった俺は、その感覚が不二から与えられるものに酷く似ていることに気付いた。
 刹那い痛みと甘さを含んだ、火花。
「不二…」
 唇を離し、ただ俺を見つめている不二の名を、誘うような声で呼ぶ。
 この現象は、自分から不二に触れても起こらない。不二から俺に触れてくれなければ。だから、俺は。
「早くっ」
 その感覚を味わうために、不二の手を掴むと既に熱を勃ち上がっているそこに触れさせた。暫く俺を見つめた後で不二は、ニヤ、と微笑うと、意志を持って俺のモノを掴んだ。
「はっ、ぁ…っ」
 瞬間、俺の躰に強い電流が流れ。俺は不二の手の中に吐精した。
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