198.カオス(不二真)
「瞑想ってさ」
「なんだ」
「何、考えてるの?」
「何も」
「何も?」
「心を無にすることを目的としている。そのため、何も考えない」
「へぇ…。僕には無理だなぁ」
「そうか」
「うん。だって僕の中にはカオスがあるからね」
「………そうか?」
「………。ねぇ。それって、何色?」
「『それ』とは何だ?」
「だから、その無になるってやつ。色に例えると、やっぱり白?」
「いいや。黒、だ」
「へぇ。黒なんだ。何も無いのに」
「何も無いからこそ黒なのだ。全て閉ざされた世界であるのでな」
「じゃあ、それなら僕も似たようなモノを見てることになるのかもしれないな」
「似たような、こと?」
「そう。僕のは真田とは逆に、色々考えすぎててまっ黒に塗り潰されてるからさ。そう考えると、僕と真田は入り口は違っても、同じところに辿り着いてるのかもしれないね」
「…………」
「何?変な顔して」
「……そんな風に考えることが出来る不二の何処に混沌があるというのだ?」
「あーっ。ひっどーい……」
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