273.汚れちまった(不二切)
「赤也…」
「っ、あ。不二っ、サン。ねがっ」
「ん?どうして欲しい?」
「もっと。いっ、あ…」

「っ!?」
 目を覚ます。嫌ぁな予感。予感というか、嫌ぁな感触。恐る恐る手を伸ばすと、下着が濡れていた。
「あー……また、だ」
 脱力する。
 もう一週間くらい連続で同じ夢を見ている。青学の天才、不二周助に犯される夢を。犯される?違うか。オレが求めてるんだ。
「汚(けが)れちまったな」
 ポツリと、呟く。気持ちよさなんて何処にもない。あるのは、罪悪感だけだ。
「なんでこんな夢、見るようになっちまったんだろ…」
 あの日からずっと、ただ、憧れてただけなのに。あの強さと、優しさに。なのに…。
「なんでこんな…」
 憧れが、欲望に飲まれてく。あの不二サンが、夢の中でオレを汚し、汚れてく。
 これを止めるには、どうしたらいいのか。いっそのこと、現実でも不二サンに犯されちまえば…?まさか、そんな。それこそ、本当にオレの想いが汚れちまう。
 だが、このままだと日に日に夢はエスカレートしてくばかりだし。
「……助けてくれよ、不二サン」
 呟くと、夢の中の不二さんが出てきて。オレの体には再び熱が宿っちまった。

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