315.あげる。(不二リョ)
「リョーマ、何食べてるの?」
「……見てわかんない?ガムっスよ、ガム」
「美味しい?」
「不味かったら食ってません。まぁだからって、特別美味いってわけじゃないっスけど」
「何味?」
「…………グリーンアップル」
「ミントとかじゃないんだ」
「うるさいっスよ。どーせ俺はお子ちゃま味覚です」
「何もそこまでは言ってないでしょう」
「眼が言ってるっス」
「へぇ。リョーマくんてば、僕の言いたいこと、分かるようになったんだ」
「って。やっぱり言おうとしてたんじゃん」
「正解だとは言ってないでしょ」
「言ってるようなもんじゃん」
「まぁ、それは兎も角。ね、それ、僕にも頂戴?」
「嫌っス」
「何でよ。いいじゃない」
「年下にたからないで下さいよ」
「恋人にならいい?」
「あのっスねぇ」
「いいじゃない。まだあるんでしょう?」
「…………仕方ないっスね。手、出してください」
「うん」
「あげるっス。返品不可っスからね」
「って。食べ終わり?」
「食べてないのが欲しいとは言ってないじゃないっスか」
「あー、そうだね。じゃあ、遠慮なく…」
「って、え?マジで食べるんスか?」
「だって返品不可でしょ?折角リョーマから貰ったのに、捨てるの勿体無いし。別にリョーマの唾液くらい」
「わーっ、わーっ、わーっ、止めてくださいよ」
「あ。何で取るのさ。貰ったんだからそれ、僕のものだよ」
「っ変態」
「あげるって言ったのはリョーマじゃない。僕に食べて欲しかったんでしょ?」
「だからどうしてアンタはそっ………」
「………じゃ。ガム、貰ったから。それは捨てちゃっていいよ」
「……………ってか、どっちにしたって変態じゃん、それって」
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送