317.通りすがりの…(不二リョ+カル)
「最近、良く会うよね。ここ、散歩コースにしたの?それとも誰かに偶然を装うように頼まれた?……まぁ、いいや。おいで。お家まで連れてってあげる。それとも、一緒に歩くかい?」
 僕の問いかけに、彼は少し首を傾げた後で、歩き出した。その後ろを暫くついていってたけど。公園を出たところで満足したのか、彼は僕の足に纏わりついてきた。その体を抱え上げ、歩く。
「ペットは飼い主に似るって言うけど。ほんと、似てるよね。甘えん坊な所がそっくりだ」
 まぁ、君のご主人は君ほど素直じゃないけど。
「ほぁら」
「ああ。やっぱり君もそう思うかい?」
「ほぁら」
 僕と目を合わせると、彼は体を摺り寄せてきた。喉を鳴らし、目を細めて。
「ねぇ、カルピン」
「?」
「これってさ、君のご主人からの命令、じゃないよね?何か最近、いつも君と一緒にリョーマの家に行ってる気がしてならないんだけど」
 門をくぐり、インターフォンを鳴らす。リョーマの声がして、玄関が開くのを待っている間、彼を見つめたけど。彼は何も言わずにまた僕の胸に顔を埋めてしまった。
 リョーマの気配を、直ぐそこに感じる。
「もう、来るなら来るって前もって言って下さいよ。行き成りだったんで、部屋散らかってますからね」
 グチグチと言いながら、玄関を開ける。そこに立っていたリョーマは、僕たちを見て、大きく息を吸い込んだ。
「カルっ、お前またそーやって。いいから、さっさと離れろよ!」
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