354.微々たる差(不二橘+杏)
「何が違うんだと思う?」
「何?」
「あたしと兄」
「性別」
「でも、不二さんは兄が男だから好きになったわけじゃないんでしょう?」
「うん」
「じゃあ、関係ないわ」
「年齢」
「そんなの、微々たるものよ」
「そりゃ、あと10年くらいしたら微々たる差になるかもしれないけど。今は結構重要なんじゃない?」
「それは、不二さんは年下が嫌いだって事?」
「そういうわけじゃないよ」
「じゃあ、何がいけないのよ?あたし、兄に似てるってよく言われるのよ。見た目とかじゃなくて、性格が」
「何がいけないとか、いいとか。そういう問題じゃないと思うんだけどな。ねぇ、橘」
「………お前ら。そういう話を俺のいる前でするのか?普通」
「僕らは普通にしてるよね」
「ね」
「………本当によく似てるな、お前たち」
「そう?」
「橘が言うんじゃ、そうなんじゃないのかな。案外、だから、僕を好きになったとかってことは…」
「…………」
「少しはある、と」
「……いや、だがな、全く似ている部分のみが好きだという訳ではなくて」
「ま、いいけどね」
「でも、だったら」
「?」
「不二さんも兄みたいな思考回路だったら、もしかしたらあたしにもチャンスがあるかもしれないってことよね?」
「杏!」
「同じなら、ね」
「不二っ!お前たちっ…!!」
「まぁ、でも、それは望み薄いかな」
「何で?」
「だって、僕と橘じゃ、そっくりどころか、全然違うからね」
「あー…」
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