357.杯(不二真)
「はいはい、これ、持って」
「待て、不二。俺たちはまだ…」
「水だから、ね。はい。青学の勝利にかんぱーい」
「………不二」
「うん?」
「分かってると思うが、青学が勝利したと言う事は、立海は負けたという事に…」
「なるね。でも、それが?」
「だから、何故俺がお前の勝利を祝わなければならんのだ?」
「じゃあ、全国出場にかんぱーい」
「……そういう事を言いたいわけじゃなくて、だな」
「何だよ。我侭だな」
「普通、自分たちが負けたというのにこんな事出来ると思うか?」
「だったらなんだったらいいのさ」
「だから、こういうこと自体、可笑しいと…」
「ああ。分かった」
「?」
「僕たちの未来に、かんぱーい」
「………」
「って。ちょっとさぶい科白だったかな?」
「………ふん」
「あ。ちょっと、真田。それ一気に飲んだら…」
「???」
「……平気?」
「ふ、じ???」
「普通、匂いで分からないかなぁ。水じゃなくてお酒が入ってるってさ」
「???」
「って。もう駄目か。へぇ。真田って、案外お酒に弱いんだ。見た目だけなら強そうなのにな。良い事知ったっと」
「???」
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