365.約束の地(不二塚) ※アニプリ『クライマックス』その後。
「あの約束から2年とちょっと。やっと、試合が出来たね」
「そうだな」
「2年間。なんか、随分と長かった気もするし、短かった気もするよ。君との試合も、同じ。長かったような、短かったような。なんか、変だよね」
「変、か?」
「変だよ。手塚と一緒だと、どれも変に感じる」
「………それは、嫌だということか?」
「ううん。そうじゃなくて。何か、どんな日常でも、些細なことでも、特別なように感じるんだ。これって、変だと思わない?」
「別に。オレは変だと思ったことはないな」
「そう?」
「ああ」
「何で?」
「………多分、特別であることが、当たり前だと思っているからだろう」
「それって、良いってこと?」
「さぁな。だが、悪い気はしない」
「…そう」
「…………」
「…………」
「手塚」「不二」
「え、っと…」
「お前が先に言え」
「……また、試合したいね」
「…………」
「手塚?」
「いいや、オレも今、同じことを言おうとしていたから。少し、驚いてしまって」
「そっか。同じこと、考えてたんだ。嬉しいな。嬉しいよ。うん。なんか、凄く嬉しい。やっぱり変だ、僕」
「別に、変ではないだろう。オレだって多分、お前と同じくらい嬉しい、し」
「そう、なん、だ。……ねぇ、手塚」
「何だ?」
「試合をしようって約束。あの時は、今日の試合を夢見てのものだったけど。これからする約束は、まさか一度きりで終わりじゃないよね?」
「……勿論だ。一度きりでは終われないだろうしな」
「ある意味、約束は永遠に果たせないってことだね。守ることは出来ても」
「そう、だな。まぁ、それも悪くない。お前となら」
「……手塚の悪くないってさ」
「?」
「大歓迎ってことで、良いんだよね?」
「…………さぁな」
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