「チビ」
「うん」
「……反論、しないんすね」
「キミを、可愛いな、と思ってるからね。まぁ、でかくても可愛いヒトもいるけど」
「…………でも、オレはアンタより」
「1センチなんて、微々たる差だよ。僕たちだから結構差があるように感じるかもしれないけど。他のヒトから見たら、差なんて無いも同然」
「でも、オレたちの間では、結構な差、なんすよね?」
「納得行かない?」
「……まぁ、ちょっとは」
「何が?」
「へ?」
「だから、何が納得行かないの?」
「えーっと」
「チビなのに、こうして赤也を見下ろしてることが?」
「っ違いますよ」
「ああ。じゃあ、このことに関しては納得してるんだ」
「だからいちいち触んっ…なって」
「嫌なら、そんな欲しそうな表情、しないでよ」
「…………」
「エロいなぁ、赤也は」
「どっちが」
「違うよ。赤也が誘うからいけないんだよ」
「大体っ、オレをそんな風にしたのはアンタでしょーが」
「それも違うよ。赤也には、元々素質があったんだよ」
「……何の」
「こういう」
「っは」
「ほら。誘ってる」
「…………。オレが納得してねぇのは」
「何。無理矢理話題戻すの?」
「……天才とか言われてるくせに、こんな腕っていうか体が細っこいとことかっ」
「痛っ。あ。歯型」
「噛み切られなかっただけ、マシだと思ってくださいよ」
「ふぅん。じゃあ、僕も」
「ん………っ」
「あ。血、出ちゃったね」
「アンタ、そうやっていつもオレの唇噛み切りますよね。そんなにオレの血、好きなんスか?」
「それもあるけど。……ほら、そうやって」
「?」
「赤也が自分の唇舐めるの、好きなんだ。試合中、何度かやってたよね。あれは癖?」
「さぁ?憶えてないっスね。アンタとの試合なんて」
「あ。なんか、納得行かない顔してる」
「……当たり前じゃないっスか。いくら青学の天才とは言え、こんなっ」
「こんな?」
「……女顔のヤツに負けるなんて」
「それって、身長関係ない」
「関係あるっスよ」
「何処が?」
「だって、その顔でもっとでかかったら、そんな女みたいだとは思わなかったっスもん」
「じゃあ、女みたいだ、って思ってたんだ」
「……お、女だとは思ってないっスよ」
「そりゃ、青学男子テニス部のジャージを着てたからね」
「…………」
「あれ?」
「なん、スか?」
「もしかして、本当にそれだけが理由?」
「違うっスよ」
「怪しいな」
「そういう不二サンは、どうして男のオレなんか」
「だから最初に言ったでしょう。可愛いなって思ったんだよ」
「けど、それなら越前だって」
「可愛いとは思うけど、やっぱり何か違うかな。そこは、身長じゃないよ。多少は関係してるかもしれないけど。決定要因じゃない」
「ふぅん」
「って。僕の言ってること分かってる?」
「ん。良くわかんねっス」
「だろうね。まぁ、いいよ。そんなことより…」
「?」
「チビってさ。分かってても、やっぱり言われると多少はムカついたりするんだよね」
「………へぇ。案外気にするんスね、そういうの」
「そう。気にするんだ。気にするんだよ?切原赤也くん?」
「えーっと。それは、今更謝っても…?」
「まぁ、体だよね」
「……………」
「何?納得行かない?自分より1センチも低い奴にいいようにされるのが」
「……べ、つに。いいっスよ。もう。今更って感じっスから」
「そうそう。赤也のそういうとこ、可愛くて好きだよ」
「っ」





赤也はいつも突然思いついたように不二に悪態を吐けばいい。
そしてその後いつも色んな意味で痛い目に遭えばいい(笑)。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送