夕日が目に入り、顔を上げると、もう5時を回っていた。どうりで静かなわけだ。
「部活、行かなくていいの?」
「図書館(ここ)使ってる人がいんのにっスか?」
 話し掛ける僕に、彼はカウンターから出てくると隣に座った。何の本、見てんすか?と覗き込んでくるから、表紙を見せてやったのに。彼は興味なさそうに、ふぅん、と呟いただけだった。
「……追い出せばいいのに」
「アンタをっスか?まさか。そんなことできるわけないじゃないっスか」
「そう?もう閉館時刻なんだから。言われれば、大人しく帰宅するんだけどな」
「普通は、閉館時刻になったら言われなくても退室するもんスよ」
 再び頁を捲り始めた僕に、彼はつまらなそうに言った。体の向きを変え、僕の肩に寄りかかるようにして後頭部を押し付けてくる。
「……第一、俺が帰れなんて言えるわけないっスよ」
 そんな心にも思ってないこと。ポツリと、呟く。多分その言葉は、知らずに声になってしまったものなのだろう。それを言った後でも、彼は全く恥らっている様子がなかった。だから僕も、聞かなかったフリをすることにした。本を閉じ、窓の外、オレンジ色のグラウンドを眺める。
「アンタとか部長とか。強いヤツのいない部活なんて、やってて意味あるんスかね」
「……なんてこと言ってサボってるから、秋の新人戦、全国逃しちゃうんだよ」
「っ。アレは」
 僕の言葉に、彼は体を離すと僕を睨みつけてきた。
「アレは?」
「…アレ、は。俺に回ってくる前に、負けたし」
 もごもごと、俯きながら答える。きっと、負けると言うことの意味に気づいたのだろう。そんな彼に僕はクスリと微笑うと、その頭を抱き寄せた。
「だったら次は、君に順番が回ってくる前に勝てるように。皆で頑張らなきゃね」
「………っス」
 責められてると感じているのかもしれない。彼は相変わらず顔を上げずに、小さく頷いた。
 しょうがないな。内心溜息を吐く。
 彼の髪を梳いている手はそのままに、自由な左手で彼の頬に触れると、顔を上げさせた。ばつの悪そうな表情を笑顔に変える為に、触れるだけのキスをしてあげる。
「そうだなぁ。リョーマが部活を頑張るのなら。毎日、部活に顔を出してもいいんだけどな」
「……それ、ホントっスか?」
「僕がリョーマに嘘吐いたことあった?」
「……嘘ばっかついてるくせに」
 僕の手の支えなしに顔を上げると、彼はいつもの調子で返してきた。何となく、微笑い合う。
「だったら。今日これから一緒に部活に出て、僕の言った事が嘘じゃないって証明してあげるよ」
 もう一度触れるだけのキスをし、立ち上がる。けど。
「明日からで、いいっスよ」
 立ち上がった僕の腕を掴むと、そのまま引っ張って椅子に座らせた。その上に、彼が座る。
「……リョーマ?」
「部活はじまると、アンタとこういうこと出来ないから。もう少し、このまま…」





意味…が、テーマにはなってな、い…。まぁ、お題だし。いい、か、な。うん。甘いしv
というわけで。負けてしまったことになってますが。まぁ、このままじゃ少なくとも不動峰には勝てないよね(二年残るしね)。リョーマ1人で3勝するわけにもいかないし(笑)
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