――約束は出来ない。そう、言われた。

「なんで?」
「何でって言われても…」
 俺の問いかけに、先輩は珍しく困った顔をした。腕を組み、そうだなぁ、と呟く。
「だって、約束なんてしちゃったら、互いを縛るだけだし。破った時、辛いでしょう」
 さらりと、なんか、もの凄く酷いコトを言われた。破った時?破った時って、なにそれ。
「……リョーマ?」
「アンタは、俺と一緒に居たくないっての?」
 黙りこんだ俺の顔を覗き込んでキスをしてこようとするから。俺はその額を押しやると睨みつけてやった。
「ねぇ。一緒に居たくないの?」
 声を荒げる。先輩は少し驚いた顔をしたけれど。すぐに笑顔に変わってしまった。
「居たいよ。一緒に。出来ることなら、この先も、ずっと」
「だったら…」
「でも。約束は出来ないんだ」
 笑顔のままで、また、言われた。その言葉に動けなくなってしまった俺に、触れるだけのキスをする。
「ずっと一緒に、なんてのは、無理だからね。永遠を願うことは出来ても。叶えることは出来ないんだよ」
 だってそうでしょう?俺を強く抱きしめ、耳元で問う。先輩の言うことはときどき難しくて、さっぱり分からないときがある。今がそれだ。
 そういうとき、俺は何も答えられない。幾ら考えても分からないものは分からない。
 だから。俺は先輩の肩に額を押し当てると、分からない、というかわりに首を横に振った。
 背に回されていた先輩の手が、溜息と共に緩む。離れたくなくて、ますます額を押し付けたけど。
「リョーマは。今の僕だけじゃ、不満?」
 圧倒的な力で、離される。先輩は俯く俺の顎を掴んで上を向けさせると、また、キスをした。今度は、触れるだけじゃないものを。
「不満、じゃないっスけど」
 吐息と共に出てくる声。自分でも驚くほど情けないそれに、俺は俯いた。
「……でも。今だけじゃ、不安っス」
「そう?僕は、約束なんかで繋いでる関係の方が、よっぽど不安だと思うけど」
いつもと変わらない口調で言うと、先輩は俺の手を取り、指を絡めた。隣に、並ぶ。
「それに、約束なんてしちゃったら、きっと今が苦痛になるよ。だから…」
 体を屈め、囁くようにして言う先輩に。俺は顔を上げられなくて。頷くかわりに、その手を強く握り返した。

 ――約束は出来ないけど。そのかわり、永遠を一緒に願おう?





自分で書いててなんだかサブかったよ。あはっ。
♪安い感じがいいKEEP A FAITH
 無理のない程度に行きましょう♪
♪本当は永遠なんて信じてないくせしてさ
 約束繋いでなんか求めてる? 可笑しなFEELING♪
書きながらずっと頭の中をグルグル流れてたよ。
あと、GARNET CROWも。(書いた二曲は岡本仁志『It's only love』と『手遅れな再会』しかし歌詞はうろ覚え)
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