8 何回目? (はるみち)
「僕たちは何回目の転生なんだろうな」
「えっ?」
「まさかこれが初めてというわけじゃないだろ」
「……どうしてそう思うの?」
「僕たちが覚醒してからだけでも、幾度となく地球は侵略者に襲われたんだぜ? それなら、他の時代にだって僕たちの力が必要だったはずだ」
「でも私の前世の記憶はセーラーネプチューンだけよ。貴女を……ウラヌスを愛した」
「じゃあ戦士として覚醒しなかったから、記憶が受け継がれなかったのかもしれない。前世の記憶は言ってしまえば、戦闘に必要だから残っていたんだろうし。ああ、そうか。戦士としての基礎になるような記憶は、ウラヌスのものだけだから、それ以外の時代での記憶は必要ない。だから、転生したところでウラヌス以外の前世の記憶がないんだ。必要ないから」
「……ねぇ、はるか。一体どうしたの? どうしてそんなに前世が気になるの?」
「違うよ、みちる。気にしてるのは来世だ」
「来世?」
「僕たちが来世でも、そのまた次の生でも。あの月の加護がある限り結ばれ続けるためには、幾度もの転生が必要なんだ。そうだろう?」
「いいじゃない。この生で終わるのなら」
「みちる?」
「月から見れば私たちの一生なんて、ほんの一瞬かもしれないけれど。それでも、私たちからすれば永遠にも等しいほどに長い時間だわ。それに、生まれ変わったとしても、それは貴女と私じゃない。ウラヌスとネプチューンではあるかもしれないけれど、決して天王はるかと海王みちるではないのよ。それでもはるかは、来世で私と。……ネプチューンと結ばれたい?」
「それは……。僕はただ、君とずっと一緒にいることが出来たらって。そう、思って。じゃないと」
「ねぇ。だったら、もっと他にやれることがあるでしょう?」
「え?」
「今、出来ることが。ねぇ、今夜は泊まって行ってもいいでしょう?」
「……ああ。もちろん」


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