「――と、言うことで。祝ってください」
「は?」
「だから。祝ってください」
「……何で俺が貴様を祝う必要がある?」
「何でって…。嬉しくないんですか?」
「何が」
「オレたちが一緒に暮らし始めて一年なんですよ?」
「誰と誰が一緒に暮らしてるって?」
「オレと。飛影が」
「誰がっ」
「じゃあ何で、こうも毎日オレのところに来るんです?」
「……それはっ」
「それは?」
「いい加減、パトロールに飽きたからだ」
「そんなのサボればいいじゃないですか」
「だからここに来てるんだろうがっ」
「人間界、他に行き場がないんですか。可哀相に」
「………帰る」
「帰るって。何処に?貴方の帰るべき場所はここなのに?」
「………………ちっ」
「あ。帰る場所はオレの所だって思っていてくれたんですね。嬉しいっ」
「きっさま。……うるさいっ、離れろ!」
「離れたら祝ってくれます?」
「だから何で俺が祝わなければならん」
「何度も言わせないでくださいよ。今日はオレたちが――」
「それは分かっている。だから、何故俺だけが祝わなければならないんだと訊いているんだ」
「………。えーっと。じゃあ、二人でお互いを祝います?」
「………な、なんだ、その不気味な笑みは」
「いやぁ、二人でって言ったら、することは一つでしょう?」
「っ。止めろっ。おい。蔦を解けっ!!やっ……」
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