HAND To hand
 組み敷いた飛影の手に、自分の手を重ね、指先を絡める。本当は最後までこうしていたいのだけれど、飛影は身を捩るふりをしてオレの手からすり抜けてしまう。
 その手がオレの背に回ってくれるのなら、まだいいのだが。大抵はシーツに大量の皺を寄せることになる。
 悔しいから。体を反転させ、彼を上に乗せる。
 背をそらして喘ぐ飛影の手は、上体を起こしたオレの肩にかかる。彼の白い両腕が作る輪の中で、オレは目の前で上下する果実に噛み付いた。
 痛いのか、悦いのか。歯を立てる度に彼の口からは声が漏れ、また別の口は何一つ零さないようにときつく締め付けていた。

「今日も駄目だったか」
 眠りに就いた彼の手に唇を落とし、そっと指を絡める。
 飛影の手は小さい。身長に見合ったサイズと言うべきだろうか。それに比べてオレの手は、身長のせいもあるのだろうけど、無駄にでかい。それは、指先でも充分に彼を満足させられるほどだ。
 そのことを、飛影はあまり快く思っていない。指は欲しがるくせに、自分の手と比べるように指先を絡めて繋ぐなんてことは滅多にしない。特に、情事の最中は。
 一度くらい、下半身以外も繋がった状態でいってみたいのだけれど。
 それが叶わないのならせめて、と。深く指を絡めたまま、彼の寝息を子守唄がわりに目を閉じた。



変なところで意地っ張りなんだよな、飛影って。
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