「ねぇ、いいでしょう?」
「っ」
 耳元で囁かれ、俺は微かに身を震わせた。それを見抜いた不二は、息を吹きかけるようにクスクスと微笑うと、そのままそこに舌を入れてきた。抱き締めていた手が下がり、シャツをたくし上げられる。
「やっ…」
 俺が動けなくなったのをいいことに、不二の手が耳よりも弱いポイントを突いてくる。
「ふ、じ」
 後ろから抱き締められたまま、不二の顔が見れないままと言う事が何故かもどかしく。俺は何とか手を回して不二の頭を掴むと、無理矢理に唇を重ねた。耳にそうしていたよりも激しく、不二の舌が俺の情を煽る。
「……はっ、はぁっ」
 思いがけなく長い口付けに、唇を離した俺は、既に息が上がっていた。いつの間に前に周ったのか。不二はそんな俺の顔を覗き込むと、クスリと微笑った。
「ね。それはいいってことだよね?」
 俺には触れず身を乗り出し、耳元で囁く。いちいち反応してしまう体も、それに微笑う不二も癪だから。俺は頷く変わりに不二の頬を両手でしっかりと掴むと、深く口付けてやった。いつも以上に積極的に、不二が予想出来ない程に。舌を絡め、貪る。
「はっ、ぁ」
 その作戦は上手く行ったようで、唇を離した不二の呼吸は上がっていた。しかし、それを喜ぶ程の余裕は、俺には残っていなかった。
「……いいのかな、乾。こんなに僕を煽って」
 やっと俺の肩を掴み、押し倒す。耳元に唇を寄せると、不二はまた、囁いた。
「本気、出しちゃうよ?」
「っあ」
 その声と、同時にそこに触れられたことに。俺は思わず声を漏らした。体に刺激を与える不二の手はそのままに、その体を抱き締め、耳元に唇を寄せる。
「データ通りだ」
 出来る限り冷静な声で囁くと、身を竦めながらクスリと微笑う不二のその耳に、仕返しとばかりに舌を這わせた。



365題『舌』のコメントから。遅くなってゴメンナサイ。そして短くてゴメンナサイ。でも微エロだから許して。
乾は耳が苦手ならいいなぁ、と思いまして。
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