倖せの感じ方


「っ遅れてスミマセン」
「…ありがと」
「…………。」
「どうしたの?」
「何で?」
「?」
「『ありがと』って。俺、遅刻してきたんスけど」
「ああ。それね」
「『僕の為に走ってきてくれてありがとう』の"ありがと"だよ」
「……お人好しなんスね」
「違うよ。ちょっと自分を低い位置に置いてるだけ」
「……強いくせに」
「それとは違うよ。もっと、精神的な問題」
「ふーん。でも、俺、アンタのために走ってきたかもしんないけど、アンタのために早くは起きられなかったっスよ」
「うん。そうだね。でも、リョーマは誰の為であっても早く起きれない子だって知ってるから。だから、それはいいの」
「……変なの」
「変じゃないよ。自分を低い位置に置くとね、こうやって一緒に居てくれるだけで倖せに慣れるんだ」
「じゃあ、単純」
「知らないの?こういう些細な日常こそが、本当に大切で、倖せなんだよ」
「じゃあ、俺とのデートは幸せじゃないんだ」
「倖せだよ」
「だって、『日常』じゃないっすもん」
「それはね。こうして一緒に居ることが早く『日常』に慣れたら良いなって。何事にも準備段階は必要だからね。今、僕は倖せだよ」
「……恥ずかしい」
「だって本当のことだからね」
「でもさ、アンタ、俺が毎日テニスしようって言ったら、そういうのは偶にやるから楽しいんだって言ってませんでした?それって、日常は楽しくないってことじゃないの?」
「あはは。なるほどね」
「ねぇ。これはどう説明するんスか?」
「ま、結局僕は、倖せ者って事かな」
「何、それ」
「偶にだろうが、いつもだろうが。僕はリョーマと居るだけで倖せだって事。今すぐにとは言わないけど、いつかはリョーマもそうなって欲しいな」
「…………。」
「リョーマ?」
「別に。俺だってアンタが居れば幸せだって思ってますけどね」
「そう?そうなんだ」
「なんスか。あんまり人の顔じろじろ見ないでくださいよ」
「ん。……リョーマ」
「なんすか?」
「ありがと。」
「……べ、っつに」





短くてごめんなさい。
会話だけでごめんなさい。
だって、バカップルだから良いよね?(笑)
自分を低く見ると、結構簡単に幸せになれるものです。
自己嫌悪にも同じくらい簡単に陥りますけどね(苦笑)

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