メッセージ


『あけましておめでとう。』
 目を醒ますと、ケータイにそのメッセージだけが入っていた。日時は零時ジャスト。ただいまの時刻、10時ジャスト。何で、気付かなかったんだろ。
 嬉しさと軽い自己嫌悪。無視したと思ったかな?気、悪くしたかな?
 今日は朝からそわそわしてる。このメールが来た所為で。本当なら、目が醒めても布団の中で暫くゴロゴロしてるのに。あの人からのメッセージに、なんだか急かされてる気分。
 ……会いたい。
 図々しいかもしんないけど、今、凄くあの人に会いたい。
 電話、してみっかな?でも、機嫌悪くしてたらヤだな。とりあえず、メールにしてみようか。
 すっかり出かける支度をしてるくせに、俺はケータイを取り出す。『今から会えますか?』と文字を打ち終えたところで、その言葉を消した。今日は元旦。会えるわけがない。そう言えば、部長と初日の出を見に行くって言ってた気がする。
 溜息を吐きながら、とりあえず『あけましておめでとうございます。』という言葉だけを送った。
 ベッドに横になると、俺はケータイを見つめた。返事が来るまで、何時間でも待つつもりで。
 けど、その返事は意外にも、すぐにやってきた。
『駅前の公園。』
「………え?」
 思わず、驚きが声になって出た。
 何?これ。どういうこと?会いに来いって?
 頭の中にたくさんのハテナが浮かぶ。俺の頭はまだ結論を出せないながらも、気がつくと、公園に向かって走っていた。頭より体が先に動く、か。ばっかみてぇ。桃先輩の癖でも感染ったかな。
 人気のない公園。先輩の姿を捜して、ひとり、歩く。
 ……いない?もしかして、帰っちゃったのかな?それとも、ただからかっただけ?
 解からない。とりあえず、この混乱した頭をどうにかさせないと。
 俺は辺りを見回し、ベンチを見つけるとそこに座った。息が上がってる。変だ。これくらいの距離を走っただけで息が上がるなんて。そんなに必死だったって事?
 嘘かもしんないのに。
「はは…。ばっかみてー、俺」
「ホント、馬鹿だよね、君って」
 背後からの、俺の呟きに被さる声に驚いて、急いで後ろを振り返った。瞬間、重ねられる唇。
「……っじ、せんぱい…?」
 唇を離すと、驚いて目を丸くしている俺に、先輩は優しく微笑った。
「僕が居ないかもって思わなかったの?」
「……でも、居る。」
「まぁね」
「先輩も、俺が来ないかもって思わなかったんスか?」
「でも、来たでしょ?」
「そう、っスね」
 クスリと笑みを溢すと、先輩は俺の隣に座った。その蒼い眼に、俺が映る。
「誰よりも先に君に言いたかったんだ。あけましておめでとう、リョーマ。」
 先輩が俺の頬にそっと手を触れた。なんか、すっごく照れるんだけど。ま、嬉しいから。
「……おめでとうございます」
 ちょっと恥ずかしいけど。俺はその手を捕ると、今度は自分から先輩に唇を重ねた。





なんだか不二リョがブームです。
つぅか、書いてから気付いた。リョーマってケータイ持ってたっけ!?エヘッ(殴)

ってな感じで、あけましておめでとうございますです。 今年もよろしくお願いしますm(__)m
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