冷えはじめたオレの手に、不二の温かな手。しっかりと握ると、不二はオレに寄り添い幸せな笑顔をくれる。オレは少し照れながら、気付かれないよう歩調を緩める。 青白い月光。それを頼りに、不二を送る。と言っても、玄関から門までの短い距離だが。 本当は。もっと長い時間、一緒に歩いていたいのだが。今日のように夜も更けてしまうと、不二がそれを許してくれない。 泊まって行けばいいと。そう思うのだが。オレから切り出すことが出来ないし。例え切り出したとしても、不二はきっと、明日も学校だから、と返すだろう。 「じゃあ、手塚。おやすみ」 不二が門をくぐった所で、いつも、その言葉と共に手を離される。そして、それ以上オレが先へ進まないように、振り返って道を塞いでしまう。 「……ああ」 仕方なく立ち止まり、頷く。そんなオレに、不二は満足そうに微笑いながら頷き返すと、あっさりと背を向けて歩き出した。 ゆっくりと小さくなる後ろ姿。夜の闇に見えなくなるまで見送り、オレも踵を返す。 すると決まって、オレの携帯電話にメールが入る。 『また、明日ね』 件名も無い、たった一言だけのメール。 まだ別れて数分も経っていないと言うのに。呆れ気味の溜息をつきながらも、それが嬉しくもある。その言葉の裏側で、またすぐ会いたい、と言われているようで。 だから、オレも。 『また、明日』 もっと長く一緒にいたい、という想いを込めて、不二にメールを返す。 そして。早く明日が来るよう、オレはまだ熱と気だるさを残す体を早々に横たえる。 |
連続で短くてごめんなさい。
本当はsurfaceの『as ever』で書こうと思ったのに。なんか、ズレました。 でも大半(?)は『as ever』な感じ。BGMにどうぞ。 何故かうちの不二塚は、手塚の方が悶々としてるってのが多いらしいね。 |
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