651.色よい返事(みちる&エルザ)
530.風変わり】その後


「ふふ。喋ってきちゃった」
「見ていたわ」
「怒ってる?」
「どうして?」
「どうしてって……。ま、いいか。天王はるか。案外、いい奴そうじゃない。ちょっと、とっつきにくいけど」
「初めからそう言ってるわ」
「そうだっけ?」
「その確認に行ったんじゃなかったの?」
「ああ。そういえば、そうだったそうだった。……ね、みちる」
「だめ」
「まだ何も言ってないじゃない」
「エルザがそういう顔したときって、絶対意地悪なことを考えてるときだもの」
「さっすがみちる。分かってるのはあの人のことだけじゃないのねー」
「エルザだからよ」
「それはそれは……」
「……エルザ?」
「ごめん。なんか、すごく嬉しい」
「大袈裟ね」
「……よし。じゃあ、こうなったら」
「だめ」
「せめて内容聞いてからにしてよ」
「いやよ。だって、全部言ったら、エルザ、強引でも実行するんでしょう?」
「う……」
「だから、聞かないわ」
「みちる。大丈夫だって。だってずっと言ってたじゃない。いつかあの人をモデルに絵を描きたいって」
「それならホラ。写真があるから事足りてるわ」
「嘘」
「だって……。そんなの、オーケィしてくれるはずないわ」
「分からないわよ。今日だって、最初はシカトされたけど、最後はちゃんと握手してくれたし」
「それはエルザの人柄に触れたからよ」
「みちるは?」
「私は駄目だわ」
「どうして? こんなに可愛いのに」
「それは、エルザだからよ」
「なに?」
「……なんでもないわ。兎に角、それは駄目」
「分かった」
「そう。よかった」
「じゃあ、みちるは頼まなくていいから。ただ、私の後ろにいてくれれば」
「えっ?」
「私がかわりにお願いしてあげる」
「何よ、それ。エルザ、全然分かってないわ」
「分かってるから。私を信じて。ねっ? 次の大会までに、みちるは心の準備。分かった?」
「分からないって言っても、強引に連れて行くんでしょう?」
「もちろん」
「……分かったわ」
「よし」
(2011/04/03)
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